2025.5.1
令和7年度 所得税改正に伴う年末調整・源泉徴収実務の変更について
令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除や給与所得控除の見直し、および新たな控除制度の創設が行われました。
これに伴い、2025年12月以降の年末調整や源泉徴収事務に変更が生じます。
以下に、実務上影響の大きい改正点をご案内いたします。
1. 基礎控除が「所得に応じた段階制」に変更
従来一律だった48万円の基礎控除が、合計所得金額に応じて最大95万円まで引き上げられます。
例:132万円以下 → 95万円、655万円超 → 58万円。
※令和9年分以後は一律58万円へ。
2. 給与所得控除の下限が65万円に引き上げ
控除の最低保障額が10万円増加し、低所得の給与者に対する課税額が軽減されます。
年末調整や源泉徴収に使用する各種表も改正されます。
3. 特定親族特別控除の新設(最大63万円)
19歳以上23歳未満の一定の親族(配偶者・専従者を除く)を扶養している場合、所得に応じて最大63万円の控除が追加適用されます。
申告には「特定親族特別控除申告書」の提出が必要です。
4. 扶養等の所得要件が緩和
対象者の合計所得金額上限が引き上げられ、扶養控除・配偶者控除・勤労学生控除の適用対象が拡大します。
例:扶養親族 → 58万円以下、勤労学生 → 85万円以下。
5. 実務対応が必要な年末調整・源泉徴収の変更
・2025年12月の年末調整では新控除額・様式に基づく計算が必要
・「特定親族特別控除」や変更された扶養条件を踏まえた申告書の再収集が求められます
・令和8年分以降は新しい税額表に基づく月次源泉徴収が必要です
この改正は事務手続きにも影響を及ぼすため、早めの準備と社内周知が推奨されます。
詳細は以下国税庁サイトをご参照ください:
国税庁|令和7年度 所得税の基礎控除の見直し等(https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm)